三島由紀夫「金閣寺」より

孤独がはじまると、それに私はたやすく馴れ、誰ともほとんど口をきかぬ生活は、私にとつてもつとも努力の要らぬものだといふことが、改めてわかつた。生への焦燥も私から去つた。死んだ毎日は快かつた。

 
たしかに他人とのまじわりのない生活はある意味とても心穏やかで快適なものだと言ってもいいと思う。ひとりでいるから寂しいんだという幻想を許してくれるから快適なのかもしれない。まわりに人がいて、ある程度のまじわりもあるのに、それでも寂しいというのは、なかなかハードなものだから。

ちなみにこの引用は橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』からの孫引きです(;´Д`)