「於染久松色読販 新版 お染の七役」

作:鶴屋南北
出演:坂東玉三郎 市川団十郎 市川段四郎 市川団蔵 河原崎権十郎 尾上松緑 市川亀治郎
NHK教育「劇場への招待」枠 東京・歌舞伎座で録画

結局、お染・久松の道行きはどうなったのか、芸者・小糸を巡る恋の鞘当はどうなったのか、千葉家再興・名刀義光の行方はいかに、と肝心のお話はさっぱりなんだけど、それでもいいのだ。だっておもしろいんだもん。きれいなんだもん。見て楽しくって満足できるんだから、ストーリーなんてどうでもいいじゃん。
早替わり、強請の場、物狂い、踊り、猟奇趣味、とにかく見せ場満載なんだから。
それからテレビならではの楽しみ、副音声での解説*1、歌舞伎鑑賞入門でもおなじみのおくだ健太郎氏がいい味だしてました。番頭・善六が恋の願掛けに行くのを評して「こういうのを無駄な努力というんですね」とか無駄口を叩きつつも鑑賞のキモをしっかり押さえてるところはさすがでした。
ところで七役の中で誰が気に入ったかといえば、やっぱり土手のお六。かっこよかったなあ。この役だけはかなりはっきりと性格が違うから素人なおれにもわかりやすいし(;´Д`)
ていうか、玉三郎すげえよ、やっぱ。いよっ、大和屋っ!

*1:劇場でもイヤフォン借りて聞けるけどね